コペンのリアビューを象徴するデュアルマフラーにもこだわりがつまっている。
細かく見ていこう。
・全体的な構造
マフラーはフロントからリアまで太く、真っ直ぐというストレート構造で排気抵抗を極力低減。
そのスペックはフロントφ34.5㎜、センターφ38.5㎜、リアφ45.8㎜。
フロントパイプ 7.82㎏
テールパイプ 1.98㎏
消音機能を担うサイレンサーは中間に細長いサブサイレンサー、その後方に少し大きいメインサイレンサーを設置、内部はストレート構造となっていてこれにより一般的な多段膨張室構造のマフラーよりも排気効率が向上。
このマフラーが最低地上高にならないよう、ボディ下を最適化。
その結果、排気抵抗を50%低減し軽自動車最大トルクの11.2kgmを達成。
生産はトヨタ/LEXUSのマフラーを主に生産している㈱三五(サンゴ)で、いたるところにその技術が集結している。(ちなみにLFAのマフラーも担当、その素材は神戸製鋼の耐熱チタン合金である)
・フロント側
触媒とフロントパイプを繋ぐ球面接続(継ぎ手の上下が、それぞれ凹凸の半球系になっていて、これをスプリングを挟んだボルト・ナットでとめたもの。振動で変形する蛇腹式より効率が良く、これだけで2~3ps出力が向上するという)
触媒とフロントパイプを接続するスプリングボルト(振動遮断部品)は振動で緩み難くし、バネの力で抑え、負荷が加った時に力をバネで逃す構造。
細長いサブサイレンサーまで真っ直ぐなストレート構造。
・リア側
デュアルマフラーでスペシャリティ感をアピール。
パイプ2分岐部分の構成は圧力損失等に非常に気を使った優良設計でとても合理的に出来ている。
なぜかというと、分岐部分とテールパイプの接合部分、テールパイプの方が若干大きくなっており分岐部分に被せるように差し込む設計にしてある。
それゆえ、排気がテールパイプ接合部にぶつかることなく排気できるので効率が良くなる。
他車純正マフラーはだいたい逆なので分岐からテールパイプ接合部にぶつかってしまう。
そしてただの筒。
最高に音が響くつくり。
設計者のこだわりが詰まっているのをひしひしと感じる。
・音について
開発責任者の相坂氏は音についてはかなり細かな注文を出していたようで、その拘りはエンブレ時の音まで入念に作り込んだ。
低回転~中回転時は低音を強調、高回転時は高音を低減して深みのある音にチューニング。
このこだわりは新型L400Kのマフラーにも引き継がれており、こちらは低回転域では重低音を強調し、高回転域では不快な高周波成分を除いた伸びのあるサウンドとなっている。
新型L400Kの触媒から出る排気音は小さいのでフロントパイプにある小さいサイレンサーは低周波対応品を設置。
製造元は三恵技研工業株式会社でD-SPORT(ディースポーツ) i-Coat ランプカバー フロント用も製造。
・弱点
錆びて朽ち果てやすい。
純正マフラーの品質はそんなもんだからしゃーない。
マフラーも消耗品だからね。